受動喫煙対策がされていない飲食店は違法です
禁煙の飲食店は収益が増加します


2003年5月1日に施行された健康増進法では、飲食店の受動喫煙対策を義務付けており、飲食店を禁煙にすることはこの法律も遵守した上に、健康にも気づかう店であるというプラスのイメージとなります。この法律の受動喫煙防止に関する条文は以下の通りです。

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第五章第二節 受動喫煙の防止
第二十五条 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。

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また、飲食店を全面禁煙にすると、収益は増加します。なぜなら、

・一般客の7割以上はタバコの煙を不快だと思っており、受動喫煙の害が周知されるにつれて、タバコの臭いのする飲食店や禁煙になっていない飲食店を意識的に避ける客が増加していること
・喫煙しない客は長居をしないので客の回転率が上がること
・タバコによる壁やエアコンの汚れのメンテナンス、吸殻の掃除などの手間・費用が浮くこと


禁煙にすると収益が増加するという証拠は、最近では下記の報告があります。

http://news.tobaccofreekids.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=550595&PrintThis=true より切明義孝氏訳
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 最新の調査により飲食店等での喫煙を禁止する法(喫煙規制法)は、経営者が恐れるレストラン経営を圧迫することは無く、
むしろ収益を増やすということが明らかになりました。Dallas Morning News は 4月25日に報道しました。
 この調査は厳しい喫煙規制法が施行されているテキサスの4都市で行われました。厳しい喫煙規制法が飲食店の収益に与える影響を調べた最大規模の調査でした。
 テキサス健康局の研究者はPlano, Arlington, Wichita Falls, Austinで喫煙規制法施行前後の納税データーから飲食店の収入の変化を調査しました。喫煙規制法は独立した換気装置が設置された喫煙所(空間分煙の喫煙所)以外は屋内での喫煙を禁止する法律です。
 健康局のタバコ慢性疾患対策部長のDr. Phil Huangさんは言いました。調査の結果、
喫煙規制法の導入により4つの全都市で飲食店の収益が増加を続けていました。「屋内空気を清浄に保つための法律(Clean indoor air 法)は飲食店の収益を減らしません。飲食店を禁煙にすると収益が減るという主張には根拠がありません。」この調査結果は「喫煙規制法により収益が減るのでは?」という飲食店経営者の懸念を払拭するものでした。2002年4月24日に米国CDC、アトランタ(ジョージア)、の主催する会議で報告されました。
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http://www.jointogether.org/plugin.jtml?siteID=TFKNEWS&p=1&Tab=News&Object_ID=565057&PrintThis=true より切明義孝氏訳
July 15, 2003
Cornell Study Says Smoking Bans OK for Business

Hotel and Restaurant Administration Quarterly 2003年6月号に掲載されたCornell Universityの研究は、屋内の禁煙化はバーやレストランの経営に影響を及ぼさず、経営者は静観していると述べました。7月11日、AP通信は、今年のNew York州全域における屋内喫煙の禁止に先駆けて喫煙規制を採択した5地区を調査したBuffaloの Roswell Park Cancer Instituteの研究者について報道しました。この研究は、屋内での喫煙が禁止されると、食堂や宿泊施設における年間売り上げが上昇し、5地区の全ホテルにおける客1人当たりの売り上げが増加し、3地区で食料や飲料の売り上げが増加したことを発見しました。「これまで喫煙規制に対する反対派は、禁煙にすると商売に影響が出ると主張していました。」「しかしながら、我々の研究は、禁煙化は接客業の売り上げも雇用も減少させないと結論しました。」と、研究者のAndrew Hyland さんは語りました。

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全面禁煙のスターバックスの昨今の盛況振りをみてもよく分かると思います。

僭越ながら、店を全面禁煙にするという大英断にはさすがの競合店も、「禁煙にすると収益が減るのではないか」という誤解からすぐには追随できないでしょうから、大きなアドバンテージになると思います。
飲食店の禁煙は、2010年を目標にした国の施策「健康日本21」に沿って受動喫煙対策を進めている全国自治体・保健所の好感も得ることになります。

ぜひ、早急に全面禁煙にされることを要望します。
有効な受動喫煙対策がなされなければ、健康増進法第25条に反する違法状態にあり、受動喫煙被害については管理者に責任が生じます。

注:喫煙エリアが指定されていても、禁煙エリアにタバコ煙が流れてくる場合や非喫煙者の動線上(トイレに行く通路、バイキング/フリードリンクコーナー周囲やそこへの通路、レジ周辺、禁煙エリアとレジや出入り口との間の通路)にタバコ煙が流れてくる場合は、受動喫煙対策がなされていないことになります。

注:空気清浄機・分煙機はタバコ煙のほとんどの有害物質が素通りするために受動喫煙対策とはなりません。
 参考ホームページ http://nosmoke.hp.infoseek.co.jp/