05/07 15:15   計算力や読解力、少し低下 たばこの煙吸う子供調査

共同通信ニュース速報
【ワシントン7日共同】他人のたばこの煙(副流煙)を吸っている子供は、その量がごくわずかでも、読解力や計算などの能力がわずかながら低下することが、米国のシンシナティ子供病院の約四千四百人を対象にした調査で分かった。同病院の研究グループが六日、米国の小児科学会で発表した。
 グループは、喫煙経験がなく、副流煙を吸う環境にある六歳から十六歳までの子供、四千三百九十九人を対象に、たばこに含まれるニコチンが体内で分解されてできるコチニンという物質の血中濃度を分析。
 さらに、米国で標準とされるテスト方法で、計算力、読解力、理論的思考の能力などを測定。副流煙を吸っていない子供と比較した。
 その結果、血中のコチニン濃度が高くなるほど、これらの能力の点数はわずかながら低くなることが判明。コチニンの濃度が血液一ミリリットル中一ナノグラム(ナノは十億分の一)以下という微量でも、点数の低下が確認された。
 同一ナノグラムのコチニンは、一日にたばこを一箱程度吸う人と一緒に暮らしている子供の血中濃度にほぼ等しいという。
 研究グループのキンバリー・ヨルトン博士は「今回の結果は、子供をたばこの副流煙から守るための対策が、いかに重要かを示すものだ」と指摘している。