和歌山県学校敷地内禁煙を応援します

校内禁煙 運動会でも浸透 波及効果でごみも減る 南部郷・龍神 (2002/11/13 紀伊民報)
和歌山県立医科大学附属病院内全面禁煙について(お知らせ)

和歌山県では、「和歌山県たばこ対策指針」を受けて、和歌山県教育委員会が、2002年4月から公立学校の敷地内禁煙化をするという大英断をされました。欧米では学校が禁煙なのは当たり前のことで、学校で飲酒がだめなのと同じく喫煙が禁止されるのは至極当然の措置でもありますが、これまで日本では都道府県レベルで禁煙の通達が出されたことはありませんでした。しかし、学校禁煙に触れた「喫煙防止教育等の推進について」と題する旧文部省通知も平成7年にはすでに出ており、個々の学校レベルでの禁煙化も確実に広がってきております。職員が学校での勤務中に飲酒が我慢できないのはアルコール中毒、喫煙が我慢できないのはニコチン中毒で、いずれも治療が必要です。和歌山県は県内の禁煙外来も紹介しておられます。

しかし、ここにきて、文部科学省初等教育局が、応援するどころか次のようにコメントしています。

「教職員の服務監督上、問題がないとはいえない。勤務条件の問題にもかかわるし、禁煙の行きすぎで教職員の精神状態に影響がでるなど別の問題を引き起こす可能性もある」
(11月21日産経新聞の文部科学省初等教育局のコメントとする報道)

「服務監督上でいえば問題がないとはいいがたい。今後、訴訟になるケースも考えられる」
(11月28日産経新聞の文部科学省初等教育局のコメントとする報道)

文部科学省が、後押しするどころか旧文部省の通知を無視した挙句、和歌山県に恐喝まがいに訴訟を口にするなどということが許されるのでしょうか。

「禁煙で精神状態に影響が出る」という文部科学省初等教育局のコメントとは逆に、喫煙が精神衛生に悪影響を及ぼすことはこれまでの世界中の研究で明確になっています。例えば喫煙は、うつ病、広場恐怖、全般的不安障害、恐慌性障害発症などのリスクとなっており、禁煙によってこれらのリスクが低減するのです。むしろ、これを機会に禁煙できれば、精神的に好影響が期待できるでしょう。

また、最も重要なことは学校は教育の場であるということです。現在、タバコの価格が安く(欧米の半額以下)、自販機が子どもが買いやすいように多数設置され、広告が氾濫した結果、未成年の喫煙は上昇の一途を辿っており、これに伴って妊婦の喫煙も激増し、6割が喫煙が原因とされる乳幼児突然死症候群も近いうちに急増することは必至の情勢です。未成年を喫煙に至らせる最初のゲートは、大人の喫煙姿を見せることです。1日の大半を過ごす学校で教師の喫煙姿をみせることは、子どもに自身の将来の喫煙を容認させる要因ともなります。

また、タバコの煙のみならず、喫煙者の吐く息の中には一酸化炭素を始めとした有害物質が含まれ、授業の際には一番前の児童生徒は、それを吸わされる危険性があります。タバコ煙の鉛は子どもの幼弱な脳に沈着して、知能に悪影響を及ぼし、身長も伸びないことが言われております。学校が禁煙になれば、先生が喫煙した直後の呼気を、一番前の児童生徒が吸わされるような危険性もなくなるでしょう。

子どもの喫煙防止と受動喫煙防止の観点からも学校敷地内での禁煙は断固実施されなければなりません。



和歌山県立医科大学附属病院内全面禁煙について(お知らせ)
1 趣  旨
@ 患者の皆様の健康を最優先にいたします。
A よりよい治療環境を提供いたします。

2 開 始 日
平成14年4月1日(月)

3 院内全面禁煙の取り組み
@ 病院内のタバコ自動販売機の撤去(平成14年3月中に実施)
A 売店のタバコ販売の中止
病院1階売店でのタバコ販売については、平成14年4月1日から中止いたします。
B 病院内飲食店の禁煙
病院1階、13階の飲食店では、喫煙者に対し分煙スペースや禁煙タイムを設け対応してきましたが、平成14年4月1日より全面禁煙といたします。
C 病院内の分煙スペースの撤去
全面禁煙に向け下記禁煙室を廃止いたします。
・2階外来、13階の喫煙室
・病棟各階の喫煙室

4 啓  発
 病院内の各所に禁煙の掲示を行います。
入院される患者の皆様には、入院案内の際に禁煙の周知文書を添付し説明を行います。