2009/02/03 未成年者喫煙禁止法違反:中学生にタスポ貸し、たばこ販売 容疑の店主、書類送検  (毎日新聞記事)
◇熊本県警、書類送検
 たばこ自動販売機の成人識別カード「タスポ」を中学生に貸してたばこを販売したとして、熊本県警熊本北署は2日、熊本市内のたばこ店経営の女(73)を未成年者喫煙禁止法違反容疑で熊本区検に書類送検した。
 容疑は昨年12月15日、顔見知りの中学3年の男子生徒(当時15歳)に自分名義のタスポを貸し、自動販売機のたばこ1箱を売ったとしている。別の無職少年(16)が補導され「誰にでもタスポを貸してたばこを売ってくれる店がある」と話したため、署員が出向いて確認した。女は「売り上げを上げたかった。直接売るより気が楽だった。10人に10回ずつぐらい貸した」と供述している。

2008/06/14 タスポで小遣い稼ぎ 未成年に代わりたばこ購入 “手数料”は50円 佐世保市消費生活センターに通報  (西日本新聞記事)
 たばこ自動販売機用成人識別ICカード「taspo(タスポ)」が5月に導入されて以降、佐世保市内の公園などで高校生がタスポを所有する成人に50円の“手数料”を支払い、近くの自動販売機でたばこを購入させているとの通報が市消費生活センターに入っていることが分かった。
 センターによると、5月中旬に同市中心部の島瀬公園で、高校生が「たばこ代に50円を上乗せする」などと言って成人に現金を渡し、タスポでたばこを買わせた。成人側も「タスポがあれば、いい小遣い稼ぎになる」などと話していたという。近くでこのやりとりを見ていた市内の女性がセンターに通報した。
 県警もこの情報を把握しており、喫煙で補導した未成年者から、たばこの入手経緯を詳しく聴くなど、タスポの不正使用に警戒を強めている。
 タスポをめぐっては、福岡県警が2日、タスポを未成年の次男に貸して喫煙させたとして、未成年者喫煙禁止法違反の疑いで、母親を書類送検している。

2008/06/06 広島県警でタスポ使い回し…売店の女性店員名義  (夕刊フジ記事)
 広島県警本部(広島市中区)内に設置されているたばこの自動販売機に、成人識別ICカード「タスポ」が庁舎内の喫煙者で共用できるように、ひもで吊るしていたことが6日、分かった。タスポは他人への譲渡、貸与が禁止されているが、普及率が低いため、売り上げ減対策として自販機にカードを不正に設置するケースが各地で発覚している。警察の施設内での不正利用が明らかになったのは初めて。
 夕刊フジの取材に対し、県警厚生課は「現在、事実関係を調査しているので、詳しいことはコメントできない」としている。
 自販機は県警本部庁舎12階の売店に設置されており、問題のカードは売店の女性店員名義で自販機の側面にひもでぶら下げ、庁舎内の警察官や職員らが自由に使えるようになっている。
 広島県では今年5月からタスポの運用がスタートしており、庁内の関係者によると、この自販機には6月に入ってからカードが吊されるようになったという。
 タスポは日本たばこ協会(東京)が発行し、現在は38道府県で導入されている。発行手数料や年会費は無料だが、申請時に運転免許証など本人と確認できる書類のほか、顔写真が必要なため、敬遠する喫煙者は多い。日本たばこ協会によると、5月末時点で、すでに導入した23道県の推定喫煙者に対する普及率は約20%にとどまっている。
 県警内での不正利用の発覚について、日本たばこ協会では「取り締まる側の警察で発覚したのは大変遺憾。カードの信用をおとしめる行為で、早急に事実関係を確認した上で、撤去を申し入れる」としている。
 タスポをめぐり、福岡県警南署は今月2日、母親(41)が塗装工見習いの次男(15)に貸して喫煙を容認したとして、未成年者喫煙禁止法違反の疑いで書類送検している。

2008/06/04 タスポ付き自販機:福岡の業者、カードつり下げ 売り上げ減り  (毎日新聞記事)
  福岡県広川町の自営業者が、未成年者の喫煙防止策で導入されたたばこ自動販売機用成人識別ICカード「タスポ」を自販機に備え付け、自由にたばこが買えるようにしていることが分かった。カードを発行する「日本たばこ協会」(東京)は「成人識別制度や業界の信用を失墜させる行為」として、全国初となるカード無効化も視野に入れて是正を求める方針。財務省たばこ塩事業室も「事態が続けば行政処分もありうる」と困惑している。
 業者によると、福岡県で導入された今年5月以降、売り上げが約2割減少。売り上げを増やすために同月下旬、家人名義のカードを自販機に針金で設置した。自販機には、同時に「この自販機専用タスポです。未成年の方はご使用になれません」などと書いた張り紙を付けた。
 県警八女署は先月27日、情報提供を受け「教育的観念から好ましくない」と、撤去を求めた。しかし、業者は「法律には触れていない」と拒否したという。
 日本たばこ協会によると、同様の例は先月、福島県で2件あったが、是正要請に即座に応じたという。
 この業者は、毎日新聞の取材に「たばこを買うかどうかは親の責任では。規制する法律ができない限り、カードを撤去するつもりはない」と話している。

2008/06/02 15歳二男にタスポ貸し喫煙黙認、母親を書類送検  (読売新聞記事)
 たばこの自動販売機で購入者が成人かどうかを識別する顔写真入りICカード「タスポ」を15歳の二男に貸して喫煙を止めなかったとして、福岡県警は2日、福岡市南区の清掃員の母親(41)を未成年者喫煙禁止法違反容疑で福岡区検に書類送検した。
 タスポが導入された3月以降、未成年者にタスポを貸与したことによる摘発は全国で初めて。
 発表によると、母親は5月12日午後、南区の自宅で、塗装工見習いの二男がたばこを購入し喫煙することを知りながら、自分名義のタスポを渡した疑い。県警南署員が19日、同区内の公園で二男に声をかけ、所持品から母親名義のタスポやたばこ、ライターを見つけて補導した。二男は「お母さんからカードを借りて、1時間後に(隣接の)城南区でたばこを買って吸った」と話したという。
 二男は中学3年だった昨年夏ごろから喫煙を始め、母親は当初、「体に悪いからやめなさい」と注意していたが、次第に黙認するようになり、最近ではたばこを買い与えることもあった。母親はたばこを吸わず「タスポは子供のために取得した。本当に悪いことをしたと反省している」と話しているという。

2008/ 5/31 「タスポ貸します」…売り上げ苦戦のホテルや居酒屋 (読売新聞記事) ※JTがタスポの貸し出しを指南
 たばこの自動販売機で成人認証を行うICカード「タスポ」が導入された地区で、カードを客に貸し出す店やホテルが出始めた。申し込み手続きの煩雑さから普及が伸び悩む中、自販機でたばこを買えない客に配慮した“苦肉の策”。発行元の日本たばこ協会(東京)はタスポの貸与を禁じているが、同協会加盟のメーカー「日本たばこ産業」(JT)は「貸す時に相手が成人かどうかがわかるので問題ない」としている。
 5月に導入された徳島県小松島市にある居酒屋では、店先の自販機の側面に「タスポ、お貸しします」と書いた紙を張った。
 導入後、月50万〜60万円あった売り上げは6万〜10万円に激減した。電気代などの経費を引くと利益は月に数千円しかないという。男性店長(62)は「売り上げが落ちたので、
JTの営業マンから指南された。身分証明書などの提示は求めないが、未成年には貸さない」と説明する。
 宮崎市内のリゾートホテルでは、タスポが導入された3月1日から、客に従業員のタスポを貸し出している。フロントと入浴施設の2か所に1枚ずつタスポを置いており、貸し出す際にはスタッフが成人かどうかを判断し、自販機まで同行しているという。
 同ホテルの担当者は「規約で貸し出しが禁じられていることは知っているが、タスポが導入されていない県外の客も多く、要望があれば断れない」と話す。タスポは7月1日以降、運用が全国に広まるため、このホテルでは6月末までは貸し出しを続ける方針だ。
 こうした動きに日本たばこ協会は弱り顔だ。「タスポの趣旨に反している。未成年者喫煙防止法に抵触する恐れがあり、やめてほしい」と訴える。
 これに対し、JTは「タスポの普及は伸び悩み、個人商店では死活問題になっている。年齢を確認した上で貸し出すのは対面販売と何ら変わりないはず」(IR広報部)と反論している。