国や業界の動き
(時系列)

昭和61(1986)年 3月 3月3日、東京タクシー近代化センター苦情係宇都宮氏の発言。
(安井幸一氏の問い合わせに対して)
「お客さんのタバコは断ってはいけません」
「排気ガスの多いところでは、あんたは運転できませんね」
「タバコを吸ったら肺がんになるんだったら道路を歩いて、排ガスを吸う人はいっぱいいるのだ。どうするんだ。そんなこと気にしたら道も歩けないだろう」
「健康が害されたら、どうだこうだ、個人さんが病気になったらどうだこうだ、なんてどうでもよい。我々はそんな話聞きたくない」(当時の会話録音テープより)

昭和63(1988)年 2月 2月26日、国内初の禁煙タクシーが認可された。(安井幸一氏・平山良吉氏の個人タクシー)

昭和63(1988)年10月 毎日新聞の調査により、禁煙タクシーを利用したい人が6割に達していることが判明。
(10月5日毎日新聞朝刊に掲載)

平成11(1999)年 タクシー業界が実施したアンケート調査で、約7割の禁煙車ニーズがあることが判明。

平成12(2000)年 8月 2000年8月1日、旧運輸省は、離れたところから禁煙車であると容易に判別できる禁煙表示灯を設置する条件で禁煙タクシー自由化の通達を出した。これにより、タクシー車両の標準運送約款に禁煙車である旨を表示している車両は、運転者が旅客に対して禁煙を求めることができ、旅客がこれに応じない場合には、乗車拒否することができるようになった。
しかし、当時の運輸省自動車交通局旅客課の高橋芳則氏の発言は下記の如くであった。
「これは需給調整規制が廃止されることに伴うもので、われわれは禁煙タクシーを促進する立場にない」
「タクシーを禁煙にする必要はないと訴える運転手もいる」として、暗に禁煙タクシー制度に反対とも取れる発言。
また、禁煙タクシーを要望する者に対して「わきが腋臭や化粧した女が乗れば臭いがつく。タバコが嫌なら乗り換えればよい。雇われ運転手が喫煙を断れば違反だ」

平成14(2002)年 5月 5月17日、民主党水島広子衆院議員の質問に対する厚生労働省下田智久健康局長の答弁。健康増進法第25条の受動喫煙対策義務対象施設について。
「多数の者が利用する施設」にはタクシーを含む公共交通機関も含まれるので、受動喫煙を防止するために必要な措置に取り組むよう努めなければならないと解釈している。」
(厚生労働委員会議事録より)

平成15(2003)年 4月 4月30日付け厚生労働省健康局長通知健発第0430003号「受動喫煙防止対策について」において、健康増進法における受動喫煙防止対策義務の対象にタクシーが含まれることを明記。

平成15(2003)年 4月 4月30日付けで、国土交通省大臣官房長・国土交通省総合政策局長に宛てて、厚生労働省健康局長通知健発第0430003号「受動喫煙防止対策について」が発出される。添付の通知文書において、タクシーにおける受動喫煙対策義務も健康増進法第25条の対象であることが記載。

平成15(2003)年 5月 5月1日、受動喫煙対策義務が明記された健康増進法が施行。
これ以降、受動喫煙対策がなされていないタクシーは違法となった。

5月1日、国土交通省自動車交通局総務課企画室長・旅客課長から全国個人タクシー協会会長、全国乗用連合会会長(法人タクシー)、各地方運輸局自動車交通部長(国自総第39号・国自旅第22号)及び沖縄総合事務局運輸部長宛てに「健康増進法第25条による受動喫煙防止対策について」と題する通知文が出された。同文書において、タクシーにおける受動喫煙対策義務も健康増進法第25条の対象であることが明記。

5月9日、厚労省が「新たな職場における喫煙対策のためのガイドライン」を公表し、労働者の健康確保と快適な職場環境の形成を図るため、浮遊粉じんの濃度0.15mg/m3以下及び一酸化炭素の濃度10ppm以下という数値基準が示され、空気清浄機の無効性について明記された。

平成15(2003)年 6月 全国の法人事業者の禁煙タクシー車両数が2000台を突破したことが、全国乗用自動車連合会のまとめで分かった(2002年度末(3月末)現在)。全国の禁煙タクシー車両数は2075台(福祉車両含む)で、前年調査から29・2%(469台)増だが、全法人タクシー車両数に占める割合としてはまだ1%にも満たない。禁煙タクシー導入事業者数は全国35都道府県で125社。前年調査に比べ52・4%(43社)増と、事業者数では5割を超える伸び率となっている。(東京交通新聞 2003年6月9日(月)1面記事)

6月4日、国土交通省扇千景大臣(当時)に個人タクシー事業者(禁煙タクシー1号)安井幸一氏がタクシー禁煙化についての意見書を提出。

平成15(2003)年 7月 7月15日、関東運輸局 淡路均局長に安井幸一氏がタクシー禁煙化についての意見書を再度提出。

平成15(2003)年11月 11月20日、国土交通省石原伸晃大臣に安井幸一氏が「タクシー禁煙化について」とする要望書を提出。

平成16(2004)年 1月 1月19日、国土交通省石原伸晃大臣に安井幸一氏が「タクシー等における受動喫煙防止対策の徹底に関する要望書」を提出。

平成16(2004)年 2月 2月12日、国土交通省石原伸晃大臣に安井幸一氏が「タクシー等における受動喫煙防止対策の徹底に関する要望書」を再提出。
同日、国土交通省自動車交通局嶋久幸義局長に禁煙タクシー義務化等の要望書を提出。

2月12日、法人タクシー乗務員平田信夫氏から国土交通省自動車交通局長宛に、
1、健康増進法と労働安全衛生法にもとづき、タクー事業者に禁煙タクシーの導入を義務付けること。
2、旅客自動車運送法の一般乗用旅客自動車運送事業標準約款大条を喫煙客に対して乗車拒否できるよう改正すること。
という要望書を提出し受理される。

平成16(2004)年 3月 法人タクシー乗務員平田信夫氏から国土交通省自動車交通局長宛の要望書に対して、国土交通省 自動車交通局旅客課乗用適正化推進係長より、以下の電話回答を受ける。 

国土交通省は、厚生労働省からの要請に基づき、「健康増進法を尊守して、必要な措置を取るよう。」全国乗用自動車連合会宛に通達をして出来る範囲の指導を行っている。法に罰則のない努力義務であるから、これが限界である。
 国交省としては、今後、禁煙タクシーの導入について、道路運送法における安全運転と利用者への利便性という観点から、検討したいと考えているが、その期限については、安全規則や運送約款の改正を必要とするので、何時までにとは申し上げることは出来ない。
 ***以下、係長の私見と思われるが、***
禁煙タクシー導入の要望の声が、乗務員(労組等)、事業者、業界(全国乗用自動車連合会)等から国交省へは全く挙がってきていない。むしろ、これらの大勢は禁煙車の導入に反対ではないかと思えるほどである。

平成16(2004)年 4月 4月12日、厚生労働省 坂口力大臣に安井幸一氏が「タクシー車内の受動喫煙防止対策について」とする質問書を提出。

4月14日、法人タクシー乗務員平田信夫氏は、総務省行政評価局宛に、「総務省行政評価局はタクシー事業者に対してタクシーの全面禁煙化を義務付けるよう関係省庁に対して適正な指導を行っていただくこと。」という要望書を提出し、受理される。

平成16(2004)年 5月 5月10日、国土交通省石原伸晃大臣に安井幸一氏が「タクシー禁煙化その指導について(最終質問)」を再々度提出。

5月14日、厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室長より、(社)全国乗用自動車連合会と(社)全国個人タクシー協会会長宛に、〜平成16年度「世界禁煙デー」及び「禁煙週間」の協力依頼について〜 と題する書面が送付される。

5月31日、渡辺文学氏、大越祥敬氏、安井幸一氏、平田信夫氏らは、厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室を訪れ、タクシー乗務員と乗客の受動喫煙による健康被害を受けていることを訴え、要望書を提出。

5月31日夜放映のNHKニュース10の特集「タクシー内の喫煙 影響は」において、タクシー車内の喫煙により法定基準を12倍(調査によると条件によっては約50倍)上回る空気汚染が発生することが示され、汚染状態は30分〜1時間以上継続することが示された。この際、厚労省がタクシー業界に再度、受動喫煙対策について指導することが報道された。

平成16(2004)年 7月 7月12日、江戸川区嫌煙訴訟において、東京地裁は区に受動喫煙対策義務を認め原告が勝訴。この際、NHKが報じた厚労省のコメントは下記のごとくであった。
「受動喫煙による健康への影響は医学的にもはっきりしており、去年施行された健康増進法でも受動喫煙の害を防ぐよう義務づけている。働く人の健康を守るために分煙の対策をとらなかった施設管理者の責任が問われたのは当然・・・」

7月22日、安井幸一氏を団長とする原告団26名が東京地裁に提訴。被告は国。「タクシーの禁煙化」を求める損害賠償請求訴訟。