禁煙タクシー第1号 安井さんからのメッセージ
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安井さんが提出した質問書

国土交通大臣宛質問書(2003/ 6/4) Word文書 42KB
国土交通大臣宛質問書補足説明(2003/ 6/4) Word文書 39KB
関東運輸局長宛質問書(2003/7/15) Word文書 32KB

タクシー利用者の皆様へのメッセージ

タクシー禁煙化に関心を寄せておられる国民の皆様へ
 私が当局と戦って、第一号を勝ち取ってから15年が過ぎました。しかし、禁煙タクシーは1%にも満たない普及率で利用しようにも選択できない差別状態です。先般、東京の法人タクシー団体は、利用者で構成する「タクシーサービスアドバイザー会議」を設置していますが、会議の場では健康増進法が施行されたのだからタクシーの禁煙化を急ぐべきとの強い意見が多数出されました。業界は逆に「路上喫煙禁止のうごきがあり、タクシーでタバコを吸いたいニーズに、こたえる必要がある」と“走る喫煙室”を鮮明にしたのです。
運輸当局は「健康増進法が施行されても一切指導はしない。業界の自主性に任す」としてこれを容認しています。そもそも、当局は私の禁煙タクシーに対抗させる方策として、全車両に空気清浄機の設置義務を負わせ、「タクシーは喫煙車が基本」との姿勢を示しています。

 私の禁煙タクシー認可に際し業界は、「禁煙タクシーは邪道だ。利用者サービスとならない」と談話を発表し空気清浄機で対抗する方針を打ち出しました。それを受けて運輸当局は空気清浄機設置を義務付ける通達を発するなど、喫煙擁護の強力な行政指導をしたのです。業界が「行政も禁煙反対であり、タクシーは喫煙がサービス」と理解するのは当然であり、禁煙タクシー普及率1%未満の大きな原因と言えます

 99年に業界が自ら実施したアンケート調査では、約7割の禁煙車ニーズがあるとされているにも拘らず、4年が経過した現在でも「タクシーでタバコを吸いたいニーズがあるので、それに対応する」として全車両が喫煙車であるべきとの姿勢を確認しており、運輸当局もそれは業者の勝手として容認しています。

 禁煙タクシー認可申請制度を廃止して自由化すべきとの意見具申を運輸当局に行うとともに、読売新聞へ投書、これを受けての取材記事が大きく掲載されたことで当局は2000年8月1日に、離れたところから禁煙車であると容易に判別できる禁煙表示灯を設置する条件で禁煙タクシー自由化の通達をしました。しかし、当時の運輸省自動車交通局旅客課の高橋芳則氏は「これは需給調整規制が廃止されることに伴うもので、われわれは禁煙タクシーを促進する立場にない」と明言しています。そして「タクシーを禁煙にする必要はないと訴える運転手もいる」として、暗に禁煙タクシー制度に反対とも取れる発言をしています。また、禁煙タクシーを要望する者に対して「わきが腋臭や化粧した女が乗れば臭いがつく。たばこが嫌なら乗り換えればよい。雇われ運転手が喫煙を断れば違反だ」と突っぱねています。これではタクシー業界としても、その普及に積極的になるはずはありません。

 空気清浄機をタクシーに設置しても、煙、臭い、有害物質を完全に除去することは絶対ありません。禁煙車にもその設置を義務付けていることは、禁煙であっても喫煙を容認させるため、すなわち、禁煙タクシーの形骸化を目論んでいると言わざるを得ません。現に、認可制度が存続していた頃、ある企業が全車禁煙タクシーの認可を取り新聞、テレビで禁煙をアピールしながら乗務員には乗客の喫煙を断ってはならいと教育し、快適と期待した乗客に不快を与えていたのです。そうした事実を知り、私自身も体験して当局に、この行為は本来の「禁煙タクシーは快適、との期待を裏切るもの。指導をすべきでは」との私の要請に対し、「禁煙タクシーは喫煙を断ることができるだけのものであって、喫煙を認めるのは勝手である」として指導を拒否しました。これらの事実から当局が空気清浄機の義務化をした下心が証明できるわけです。これらの方針を変えさせない限り、「近距離客には禁煙、おいしい客には喫煙を容認」との客選び、乗車拒否の手段に使われるのは自明です。私はこのことを懸念して「禁煙タクシーは何時乗っても快適が基本でなければ」との信念で「禁煙車と表示したタクシーでは一切の喫煙を禁じる。違反した管理者には罰金を課す」との法整備をすべきと新聞などにもアピールをし続けています。皆様のご支援・ご協力をいただければこの上ない力となります。

 受動喫煙の害は常識となっていますが、運輸行政においては全く関知しないとして乗務員が喫煙を断れば違反との姿勢です。このため業界は禁煙車導入を拒否し乗務員に苦痛を与え続けています。空気清浄機設置は喫煙対策との認識を与えるもので、喫煙者である乗客としては喫煙を奨励しているものとさえ理解することになるのは当然でしょう。企業は乗務員の健康よりも利益追求に走ります。ここに乗務員の安全運行の確保と健康維持のため、タクシー車内は完全禁煙とする法整備が必要と思います。

 受動喫煙の害に関する医学的知見、法的な問題に詳しい方、外国におけるタクシー禁煙化の情報などお知らせくださいませんか。また、裁判において受動喫煙の害について証言してくださる医学関係の方、ご協力くださいませんか。


全国のタクシー乗務員の方々へのメッセージ

 受動喫煙の害をもろに受けているタクシー乗務員の皆さん。乗務員の人権意識の欠落はなはだしい運輸行政を訴えて、タクシー禁煙化を達成しませんか。乗客の副流煙の受動喫煙は医学的にも「近くでのたばこの煙を受けると内耳の血管が収縮して細胞が酸欠状態になりバランス感覚が崩れ、集中力が低下する」などの安全運転を妨害するばかりか、「副流煙に含まれる有害物質で発がん作用の強いニトロソアミンの場合、喫煙者本人が吸い込む主流煙に比較して52倍、心臓機能に悪影響を与える」と警告されている。肺がん、心臓病、椎間板ヘルニアはタクシー運転手に実に多いと医者も驚いている。また、頭髪の薄毛やハゲもたばこの煙が原因となるとのこと。このことを知りながら、運輸当局は、運転手の健康や煙害など我々は聞きたくないとして「人はみんな、排ガスのある道を歩いているのだ。タバコが怖いなら、この仕事をやめてもらいたい」さらに「雇われ運転手が禁煙を求めれば違反だ」としている。

 健康増進法の第2条。「国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない」とある。
 「雇われ運転手が禁煙を求めれば違反」との国土交通省の方針は、明らかに法令違反を犯している。乗客の喫煙による受動喫煙が、健康な生活習慣の重要性といえようか。

 傷害罪とは、身体の機能を傷害すること。乗客のたばこの煙は乗務員の目を乾燥させて涙の誘発となり、視界をさえぎるばかりか呼吸困難、咳き込みなどの身体に障害を与え、運転集中を妨げ、肺がん、動脈硬化、心臓機能障害などの疾患の原因ともなる。「乗客の喫煙を断れば違反」との運輸当局は傷害を奨励する方針を貫いている。

【自動車運転は本来危険な業務であるから、同乗者においては運転手が運転に集中できるように注意義務がある。】
 乗客の喫煙は乗務員が運転に集中できない状態を引き起こす。乗務員は安全運転遂行の為に、乗客のこの行為を制止する義務がある。「禁煙を求めれば違反とする」ことは、安全運転義務違反を強要することであり、法令違反を犯している。

 長期にわたる受動喫煙強要は、肺がん、肺気腫などの原因となることは実証されている。国立がんセンターは、喫煙者は、まわりの非喫煙者を年間2000人も肺がんで殺しているとの推計を発表している。乗客の喫煙を制止することは正当防衛である。このことを充分知っていて、これを違反とする運輸当局は、犯罪にも該当する重大問題ではないかと私には思える。

 タクシー車内での乗客の喫煙は「危険、迷惑行為」であり、「安全阻害行為」に尽きる。航空法では機内のこれらの行為は50万円以下の罰金である。タクシーにも導入させるべきである。

 東京の法人タクシー団体は「路上喫煙禁止の動きもあり、タクシーでタバコを吸いたいニーズにこたえる必要がある」との理屈で全車両喫煙者が基本として、禁煙タクシー導入を拒否し、空気清浄機設置で走る喫煙室を奨励する。空気清浄機では身体に悪影響を及ぼす一酸化炭素、ガス状の有害物質は除去されないことを承知で乗務員の健康を犠牲に増収を企んでいる。健康増進法無視もはなはだしいが、行政も業者の勝手であると容認している。
 先日、東京地裁で受動喫煙強要による被害を受けた方が起こした裁判で、証言台に立った医学博士が「受動喫煙の度に必ず被害を受けている。発症する人、しない人がいるが発症した人は、発症していない人々のためにも立ち上がるべきだ」の言葉に行動を決意した。

 全国のタクシー乗務員の皆様、乗客の喫煙で苦痛を味わっていませんか。私も25年の長期にわたる受動喫煙が原因と思われる心臓病、椎間板ヘルニア(タバコの煙が大いに関係する)での手術を受けました。このことで行政を訴えようと思い弁護士さんに相談したところ、発病が10年以上も前だから時効だと言われました。現役の乗務員さんで受動喫煙が原因と思われる疾患に悩んでいる方、乗客の喫煙で事故を起こされた方は力を合わせて損害賠償訴訟などでタクシー禁煙化を行政に要求しようではありませんか。また、喫煙者で肺がん、肺気腫、咽頭、喉頭がんになられた方、名乗り出て頂けませんか。多くの喫煙によるタバコ病被害者救済のため、第二次タバコ病訴訟の原告となり損害賠償請求しませんか。

 運輸行政を訴えて目を覚まさせ、次ぎのような法整備をさせましょう。

・運送約款 タクシー車内の喫煙は乗客、乗務員ともに禁止とする。違反者には罰則を課す。
 例外 「たばこOK」との表示灯を掲げたものは喫煙自由とする。
(「たばこOK」車への乗務は乗務員の自主的な承諾が必要。乗務員は自由に乗務を拒否できる。拒否による不利な措置を禁ずる。違反する管理者には罰則を与える)

 上記の法整備を国土交通省大臣に進言しています。安全運転、健康に関する事柄は、経営者の意向ではなく、あくまでも乗務員の意思でなければならないと考えます。

 タクシー乗務員の健康状況調査で有所見率が9割にのぼっている。東京労働局は重大視し異例の改善通達をした。強制的な受動喫煙習慣の表れであろう。皆で力を合わせてタクシー禁煙化の法整備を要求しようではないか。

 私は、個人事業者となってからは、自分の健康はもちろん、後から乗車されるお客様のために「タバコを吸われるなら窓を開けてくれませんか。後から乗られるお客様に煙が残りますので」とお願いし、開けてくれない場合は運転席の窓を開けていました。運輸当局はこの行為を「窓を開ければ嫌がらせで、喫煙乗客の気分を害する」として「接客態度違反」の処分を行った。「受動喫煙による害は実証されている。狭い車内では窓を開けるのが常識では」と異を唱え、あくまで抵抗する私に「それはあんたの常識でしょう。タクシーではお客様が常識だ」との言葉に、禁煙タクシー認可申請の行動を起こした。現在は禁煙タクシーとして快適職場で利用者に喜ばれています。しかし、新聞各紙に乗務員さんの乗客の喫煙による苦痛を訴える投書が多く掲載されていることに、自分だけが快適職場に安住していることを恥じて国土交通省大臣に「タクシー禁煙化の法整備を」との意見書を送り続けていますが、一人の力では効果がありません。力を合わせて快適職場を勝ち取ろうではありませんか。


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