2007年1月の中央教育審議会の答申で、受動喫煙防止推進の必要性が指摘されています。これにより大阪府は学校敷地内禁煙を決定しました。
→参考:大阪府立学校、来月1日から全面禁煙 (2008/3/7 読売新聞記事)

2005/1/4
受動喫煙で成績低下 読解や算数、米の研究 (共同通信ニュース速報)
 受動喫煙の機会が多いと、子供の読解や算数の成績が悪いとの研究を、米シンシナティ子供病院(オハイオ州)のチームがまとめ、4日、米公衆衛生専門誌に発表した。
 受動喫煙の子供の健康への害は知られているが、知的能力への影響ははっきりしていなかった。今回の研究で、子供がさらされるニコチンが低濃度でも危険なことも示され、たばこを吸う親に禁煙圧力が強まりそうだ。
 研究は、過去に米政府が全米で実施した健康調査の被験者になった6−16歳の子供で、たばこを吸わない約4400人が対象。
 ニコチンが分解されてできる「コチニン」という物質の血液中の量を測ったうえで読解、算数(数学)、論理的思考力、短期記憶力をテストした結果、人種や性差、経済状態などによる差を考慮しても、コチニン濃度が高いと読解、算数、論理的思考力の点数が低いことが判明。濃度が極めて低くても関連ははっきりしていた
 チームは「個別の点数低下はわずかだが、米国全体で3300万人以上の子供が受動喫煙の害を受けているとみられ、公衆衛生上重大な問題だ」と指摘している。


2004/4/5
喫煙者が屋外や喫煙場所だけで吸っても、呼気による健康被害があることがわかりました。学校を敷地内禁煙にしなければ、喫煙する教師によって子供に被害が及ぶ可能性があります。

2004/3/22
喫煙がストレスを引き起こす (JOIN TOGETHER ONLINE 記事) 切明義孝氏訳
Smoking a Cause of Stress, Not Relief
長い間、タバコを吸うことは日常生活のストレス解消になると考えられてきました。しかし、新しい研究により、喫煙は現実にストレスを引き起こすことが発見されました。Scotsman3月14日の報道です。スコットランドにあるDundee大学病理学神経科学教室の研究者は、喫煙が脳内に物理的変化を引き起こし、それにより体内にある天然のストレス解消ホルモンであるセロトニンの伝達が抑制され、その結果、喫煙者ではセロトニンが欠乏し、強いストレスに苦しむことになると述べました。
ニコチンはドーパミン濃度を上昇させ、喫煙者をストレスから短時間解放しますが、科学者はニコチンの幸福効果は単に一時的なものであると語りました。この研究は依存症になった喫煙者のためにセロトニン産生を刺激する薬など、更に効果的な薬物の開発に繋がるかも知れないと研究者は語りました。反タバコ圧力団体であるASHスコットランドの会長Maureen Mooreさんは、この研究は、喫煙には喫煙者の多くが信じるほど不安を減少させる効果がないことを確認したものであると語りました。
「喫煙者は喫煙が彼らをストレスから解放すると信じていますが、本当は、これは誤解です」と彼女は語りました。「喫煙は喫煙者をニコチンの禁断症状から解放するものであり、ストレスから解放するものではありません」


2002/ 5/ 7
計算力や読解力低下 たばこの煙吸う子供調査 (米国シンシナティ子供病院研究グループ発表・米国小児科学会)
 

2002/ 4/10
日本学校保健学会 「学校全体の禁煙」を始めとする喫煙防止対策推進のお願い 日本学校保健学会 「タバコのない学校」推進プロジェクト

日本小児科学会 こどもの受動喫煙を減らすための提言他サイトリンク (日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会)

Tob Control 2001;10:117-123 ( Summer )
School smoking policies and smoking prevalence among adolescents:multilevel analysis of cross-sectional data from Wales
禁煙にしている学校の生徒の喫煙率は9.5%、喫煙対策をとってない学校の生徒の喫煙率は30.1%、中間的な対策をとっている学校では21.0%であった。
(論文の日本語訳はこちら)


BMJ 2000;321:333-337 ( 5 August )
Effect of restrictions on smoking at home, at school, and in public places on teenage smoking: cross sectional study
家庭における喫煙の制限、公共の場における喫煙禁止条例、および学校内禁煙の厳格な運用がティーンエイジの喫煙を減少させる
(論文の日本語訳はこちら)


タバコ煙の鉛は子どもの幼弱な脳に沈着して、知能に悪影響を及ぼし、身長も伸びない
1本のタバコには0.96〜2.0μgの鉛が含まれますが、そのうち、主流煙中に2〜6%、副流煙中に10〜16%が含まれており、この鉛が吸った人の体内に蓄積する可能性があります。そして、鉛は子どもの幼弱な脳にこのような大きなダメージを与えているおそれがあります。(静岡県立こども病院内分泌代謝科 加治正行先生の総説による)
子供の前でタバコを吸うと・・・
@ 知能の発達が劣る
A 視力が落ちる
B 身長の伸びが悪い
C 病気入院が増える
D 喘息・呼吸器疾患・中耳炎・・・
E 乳幼児突然死症候群

たばこ、ストレス解消に効果なし…学会で発表 (2001/11/30 読売新聞)
 たばこは1番のストレス解消策、との喫煙者の常とう句はもう使えない――。
 喫煙について「心の健康」度を長期に調べたところ、精神的な効用は見られないとする研究が30日、都内で開かれている日本産業ストレス学会で発表された。
 「少なくとも長期的には、喫煙が精神状態の改善には役立たないことが明らかになった」と調査した三野善央・大阪府立大教授(精神保健学)。周りから煙たがられる喫煙者には、何とも分の悪い結果になった。
 調査は中国地方の企業の従業員762人に対して、「よく眠れるか」「不安を感じるか」など30項目の聞き取り調査を実施。半年おきに5回2年間にわたって変化を調べた。その結果、男性では喫煙者、非喫煙者に違いは見られず、同じ業務に従事し、仕事上のストレスは同程度と見なされる双方の比較でも、喫煙者がリラックスできていることはなかった。